自賠責保険について
自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)とは
自賠責保険は、自動車 、バイク(二輪自動車、原動機付自転車)を運行する場合に、法律(自動車損害賠償保障法)によって加入が義務づけられている保険(強制保険)ですので、必ずご加入ください。
!注意事項
自賠責保険に未加入で走行した場合は、法律によって罰せられます。
- 1年以下の懲役または50万円以下の罰金
- 免許停止処分(違反点数6点)
車検時には、車検期間をカバーする保険期間の自賠責保険に加入する必要があります。
車検のない250cc以下のバイクにお乗りの方は、満期時の継続手続きもれにご注意ください。
自賠責保険の主な補償範囲
自動車を運行中に他人にケガをさせたり、死亡させたりした場合の対人賠償事故を補償します。補償範囲は、迅速かつ公平に保険金等をお支払いするために、国土交通大臣および内閣総理大臣により以下のとおり「支払基準」が定められています。
損害の範囲 | 支払限度額(被害者1名あたり) | ||
---|---|---|---|
傷害による損害 | 治療関係費、文書料、休業損害、慰謝料 | 最高120万円まで | |
後遺障害による損害 | 失利益、慰謝料等 | ▼神経系統・精神・胸腹部臓器に著しい障害を残して介護が必要な場合 | |
常時介護のとき | 最高4,000万円まで | ||
随時介護のとき | 最高3,000万円まで | ||
▼後遺障害の程度に応じた等級により | |||
第1級:最高3,000万円まで ~第14級:最高75万円まで |
|||
死亡による損害 | 葬儀費、逸失利益、慰謝料(本人および遺族) | 最高3,000万円まで | |
死亡に至るまでの傷害による損害 | (傷害による損害の場合と同じ) | 最高120万円まで |
※平成14年4月1日以降発生の事故より実施
自賠責保険(共済)とは
自賠責保険(共済)は、交通事故による被害者を救済するため、加害者が負うべき経済的な負担を補てんすることにより、基本的な対人賠償を確保することを目的としており、原動機付自転車(原付)を含むすべての自動車に加入が義務付けられています。
※こちらの記事は、国土交通省「自動車総合安全情報」ホームページの、交通事故被害者救済対策「自賠責保険ポータルサイト」から引用しております。
自賠責保険(共済)の特色
- 自動車の運行によって他人を死傷させた場合の人身事故による損害について支払われる保険であり、物損事故は対象になりません。
- 支払限度額は、被害者1名ごとに定められています。
- 1つの事故で複数の被害者がいる場合でも、被害者の支払限度額が減らされることはありません。
- 被害者は、加害者の加入している損害保険会社等に直接、保険金(共済金)を請求することができます。
- 当座(治療費等)の出費にあてるため、被害者に対する仮渡金制度があります。
- 交通事故発生において、被害者に重大な過失があった場合にのみ減額されます。
自賠責保険(共済)金が支払われないケース
交通事故の被害者救済が自賠責保険制度の一番の使命ですが、100%被害者の責任で発生した事故(無責事故)は、相手車両の自賠責保険金の支払いの対象になりません。しかしケースとしてはまれです。
◆「無責事故」の三大原因
- 被害車両がセンターラインオーバー
- 被害車両が信号無視
- 追突した側が被害車両
自賠責保険(共済)の支払
自賠責保険(共済)の支払限度額
基本的な対人賠償として、万が一交通事故により亡くなった場合、また重い後遺障害が残った場合には、4,000万円まで、けがをした場合は120万円までの保険(共済)金が支払われます。
損害に対する限度額
損害の内容 | 損害の範囲 | 支払限度額 | 内容 |
---|---|---|---|
死亡 | 3,000万円 | 事故により被害者が死亡してしまった場合は、葬儀費、逸失利益、被害者本人の慰謝料および遺族の慰謝料の合計について支払限度額の範囲内で支払われます。 | |
死亡に至る までの傷害 |
治療費等 休業損害 慰謝料 |
120万円 | 下記の「傷害」に準じます。 |
傷害 | 治療費等 休業損害 慰謝料 |
120万円 |
事故により被害者が傷害を負った場合は、
(本人・遺族)損害および慰謝料の合計について支払限度額の範囲内で支払われます。 |
後遺障害 | 逸失利益 慰謝料等 |
1級:4,000万円※ ~14級:75万円 |
事故により被害者が後遺傷害を残した場合は、身体に残った障害の程度に応じた等級によって逸失利益および慰謝料の合計についてその等級ごとの支払限度額の範囲で支払われます。 |
※ただし、2002年4月1日以降の事故で施行令別表第1に定める第1級に認定された場合は、被害者1名につき4,000万円 。
政府保障事業について
政府保障事業とは
自動車事故の被害者を救済することを目的として、自動車の所有者が「自動車損害賠償責任保険(自賠責保険または自賠責共済)への加入を義務づけられていることは広く知られていますが、「政府保障事業」についてはご存じでしょうか?
「政府保障事業」は、以下のような事故により、「自賠責保険」または「自賠責共済」からの保険金の支払を受けられない被害者を救済するための制度です。
- ひき逃げ事故
- 泥棒運転(盗難車)による事故
- 自賠責保険、自賠責共済が付保されていない自動車(バイク)による事故
自賠責保険(共済)との相違点
「政府の保障事業」によるてん補金は、自賠責保険の支払基準に準じて支払われます。
しかし、次のような点が自賠責保険とは異なります。
- 請求できるのは被害者のみです。加害者から請求できません。
- 健康保険、労災保険などの社会保険からの給付を受けるべき場合、その金額は差し引いててん補します。
- 加害者からの支払いがあった場合、その全額は差し引いててん補します。
- 被害者へのてん補金については、政府が全額加害者に求償します。
保障内容について
政府保障事業は、政府(国土交通省)が「自動車損害賠償保障法(自賠法)」に基づき、被害者の救済を図るために損害のてん補を行う制度であり、てん補される損害の範囲および、限度額は自賠責保険の基準と同様です。
保障内容
傷害事故 |
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---|---|
後遺障害を 残した事故 |
(注)平成14年4月1日以降に発生した事故で、神経系統・精神・胸腹部臓器に著しい障害を残して常時介護が必要な場合は4,000万円となる。 |
死亡事故 |
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政府保障事業の特徴
- 自賠責保険と同様、被害者に重大な過失がある場合は、損害てん補額が減額される場合があります。 (平成19年4月1日以降に発生した事故に適用されます。)
- ※平成19年3月31日以前に発生した事故については、自賠責保険と異なり被害者自身の責任割合分が厳密に差し引かれます。
- ※親族間の事故は補償されません。
- 社会保険を使用しない場合は、社会保険を使用すれば給付されるであろう金額が差し引かれます。
- 自賠責保険のような仮渡金、内払金の制度はありません。
- 時効中断の取り扱いがありません。